セルシス社のグラフィックアプリケーションCLIP STUDIO PAINTは、低価格でありながら高性能な機能を備えた、最新のアプリケーションです。
本書「Clip Studio Paintマンガ制作テクニック」では、主にマンガ描画に関する機能に絞って解説しているため、順を追って読めばどなたでもデジタルでマンガを描く知識が身につきます。
主な特徴は以下の通り。興味のある方は是非購入の検討をお願い致します。
CLIP STUDIO PAINTの「PRO」はイラスト用。「EX」は複数ページを扱う漫画用……と言うことになっています。
しかしたとえ「PRO」であっても、マンガを描く機能は備わっているのです。確かに複数のページを管理することは難しくはありますが、一枚一枚描いていけば、こちらでもかなりの物を仕上げることが可能です。
本書では「EX」専用の機能にのみ「EX」アイコンを付けて解説していますが、それ以外は全て「PRO」バージョンでも使用可能です。
本書は、「PRO」バージョンを使用している方にとっても「EX」バージョンを使用している方にとっても、等しく役に立つはずです。
もちろん本書は「マンガ制作テクニック」ですので、メインはモノクロ漫画の描き方です。
しかし、マンガ家にもカラーの技術は必要。そのため、冒頭の32ページでは、カラー原稿の描き方についての基礎を解説しています。漫画の描き方ほど詳細ではありませんが、基本的な技術は問題なく習得することが出来るでしょう。
他の教則本では、機能を網羅しようとするあまり読みづらくなってしまったり、メニュー順に機能を解説するなどして、わかりづらくなってしまっていることも多いはずです。
しかし本書では「ネーム」から「仕上げ」までを順に扱うことにより、そういった混乱を防いでいます。
例えば一般に「テキスト」ツールなどは仕上げ部分で解説されることが多いようです。しかし普通に考えれば、テキストツールは漫画を描く最初の、ネーム部分で必要になってくる、ということに気付くはずです。
手描きのネームと違い、デジタルでネームを描く場合、手描きの文字よりテキストツールで打ち込んだ文字の方が綺麗で読みやすいというのは誰でもわかると思います。そのため本書では、テキストツールはネーム部分の、前半で採り上げているのです。
それ以外の部分においても、その工程において必要になると思われる機能を的確に盛り込んでみました。ぜひ手にとって、確認してください!
各工程を追っていく形で解説をしている本書ですが、実はそれだけでは終わりません。最終章ではソフト自体のカスタマイズについても触れています。
オリジナルのブラシやパターンの作り方はもちろん、それぞれのツールアイコンの変更方法、ショートカットやアクションに至るまで覚えておいて損は無い、大幅な作業効率化、及び表現力アップに繋がるような機能を採り上げています。
ただしもちろん「この本はこれで完璧!」と言うわけではありません。ページの都合上、泣く泣く作業工程を省略した部分も少なからずあります。
しかし、安心してください。わからない部分は作者のTwitterやブログなどで問い合わせていただければ、懇切丁寧に解説致します。
困ったときは是非どうぞ!