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「きょうのあっくん」番外編・虹色少年

「きょうのあっくん」が出来るまで

「息子のことを漫画に描かないと」。あっくんが発達障害であることがわかって以来、ずっとそう考えてきました。今から三年ほど前のことだったと思います

しかし、どういった作品を描き、さらにどのような場所で発表すればより多くの人の目に留まり理解を深めてもらえるのか…?答えは全く出てきません。それでも「描かねば」という気持ちだけが先に立ち、発表する場所も考えずに描き上げたのがこの「虹色少年」です。

一人で悩んでいてもらちがあかない、と考えた僕は、昔なじみの編集者さんの意見を伺うことにしました。仮にAさんとします。Aさんは「これは、このままの形で本にしたり連載にするのは難しいと思う」と言いました。さらに「もう少しページは短く、Web等で展開した方が良いのでは」とのアドバイスもいただきました。

言われてみればその通りで、このマンガ一本発表したところで反響はたかがしれています。仮に雑誌に掲載されたとしても、流れていってオシマイです。

しかし、Webであれば。自分でコントロール可能なWebというメディアであれば、どうにかなるかもしれない、と思いました。そしてそのWebでは短い漫画の方が読みやすい…。

そう考えて作られたのがこのページ、「きょうのあっくん」でした。多忙のためなかなか更新は出来ませんが、それでも更新のたびにたくさんの人に見ていただく事が出来ています。とてもありがたいことです。アドバイスいただいたAさんには頭が上がりません。

しかし結果的に、この「虹色少年」は宙に浮いてしまう結果となりました。全く日の目を見ること無くハードディスクの奥底にしまわれ、数年。

先日改めて読み返して、「やっぱりこのままお蔵入りにしてしまうのはもったいないな」と思い、多少長くて読みづらいのは承知の上で、今回、2015年の自閉症啓発デーに発表させていただくことにした次第です。

勢いに任せて描いてしまったため多少読みづらい部分もあるかと思いますが、それでもあっくんが生まれてから現在に至る流れみたいな物は伝わったのではないかな、と思います。

現在、あっくんは七歳になりました。上記の「市の施設」もとっくに卒園し、現在は支援学校で元気に学んでいます。

以前からどれほど「前へ」進めたかはわかりません。それでも日々、楽しそうにしているあっくんを見ると「来た道は間違っていなかった」と思えます。

引き続き、前へ、前へ。進んで行こうと思います。皆様も今まで通り、優しく見守っていただけると嬉しいです。