月刊コロコロコミック6月号購入しました!お目当てはむぎわら先生のマンガ「ドラえもん物語 ~藤子・F・不二雄先生の背中~」後編です。
この後編では、F先生の遺作となった「ねじ巻き都市冒険記」について描かれていますが……僕はこの作品に、アシスタントとして参加しています。
実はむぎわら先生は僕の通っていた専門学校の先輩なのです(前編で「中退した」と描かれていた学校です)。その関係で「F先生の原稿ヤバイから臨時で手伝いに来て!」と言われ、四日だけ手伝いに行ったのです。
例えばコレ。のび太の影の部分のアミを、僕が描いています。コレ、斜め2方向+縦線の「3カケ」なのですが、うっかり気を抜くと真っ黒になっちゃうんですよね。実際当時の僕は筆圧が今以上に強かったもので、どうしても全体に太めに、濃いめになってしまいました。むぎわら先生にも「濃いね…」と言われてしまった。スミマセンスミマセン。
他にはコレ。この効果音部分のベタとトーンも僕です。面白いのがコレの指示のされ方で、先輩アシスタントさんに「えーと…ズシリってカンジの処理をしておいて」と言われました。ズ…ズシリ(笑)!?
正直よくわからなかったのですが、「ベタがトーンを押しつぶしているような」処理にしてみました。…ズシリってカンジに見えますか(笑)?
あとはこの背景とかも僕ですね(ただし木の葉のグルグルは他の方)。良く見ると猿がつかんでいる植物の蔓が歪んでたりします。この辺はまだ若く、技術が無いなぁ…と思える部分。枝振りとかも不自然。ちょっと恥ずかしいです。
他にも海の背景とかも僕だったりしますが、取り上げていくとキリが無いのでこの辺でやめておきます。いやー、それにしても懐かしい。
僕はアシスタント経験に乏しく、今のところプロのマンガ家さんのアシスタントをしたのは、この時だけです。でも、多分これから先どんな人のアシスタントをやったとしても、この時の経験が一番なのは変わらないでしょう。
小学生の時から大好きだった「藤子不二雄」先生の漫画。そして「藤子不二雄賞(現在の小学館新人コミック大賞児童部門)」への投稿。受賞。コロコロ(別冊ですが)でのデビュー。そしてたった四日だけのF先生のアシスタント…。当時はなんだかとても「繋がっている」実感を持っていました。
その後ちょっとした行き違いで僕はコロコロ編集部から抜けてしまうことになるのですが、それでもやっぱり「コロコロは特別」と思えるのは、このような経験があったからなのだと思います。
今はもう学習マンガや講義、教則本の執筆などがメインになっていますが、機会があればまた古巣に戻って何かやりたいなぁ、と考えています。あそこは異常に層が厚いのでちょっとやそっとで戻れたりしないことはわかっているんですけどね。
ともあれ、たとえ活躍する場がどこであっても、良いマンガを描くことがF先生への恩返しになるんじゃないかなぁ…と思っています。
(2012年の日記を加筆修正)
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