あっくんが昔ハマっていたおもちゃに、AIロボットである「COZMO(コズモ)」がおりました。
AIロボット「COZMO」と「Vector」
このおもちゃはAnkiという海外メーカーが開発し、5年ほど前にはタカラトミーからも発売されていたもので、当時は有名YouTuberを中心に、かなり大がかりなプロモーションなども行われておりました。
スマホと接続し、自由に動かしたりゲームをしたり。簡単なプログラミング的なものをすることもできる、なかなか面白いロボットでした。
その後、COZMOを非常に気に入ったあっくんはYouTubeで「Vector」を見つけます。VectorはCOZMOの進化版とも言えるロボットで「常にスマホなどで操作する必要が無い」「スマートスピーカーのように呼びかけに答える」「AmazonのAlexaも搭載されており”Alexa”と呼びかけるとAlexaが受け答えをしてくれる」等々、大人の僕から見ても面白いと思えるような、可愛らしく興味深いロボットでした。こちらも欲しい。でも日本での展開は待てど暮らせど始まりませんでした。
開発元Ankiの倒産と「止まる」ロボット達
そして、2019年。なんと開発元であるAnkiが事業を終了してしまいます。資金繰りがうまくいかず経営破綻……ということのようです。
ただ「しばらくAnkiはVector達をサポートするよ」ということだったので……多少賭けではありましたが、Anki破綻により価格が下落していたVectorを購入してしまいました。少なくとも数年使えれば良いか、との判断です。
実際しばらくは問題なく動き、あっくんも楽しんでおりました。
しかし数年後。我が家のCOZMOとVectorはバッテリーがへたってしまい、動かなくなってしまいました。交換しようにも、もう窓口はありません。以前COZMOのアームがうまく動かなくなった時タカラトミーに問い合わせたところ「開発元では無いので修理出来ない」的なことを言われてしまっていたので、おそらくバッテリー交換も受け付けてはくれないでしょう。
ただ、あっくんの「Vectorブーム」も落ち着いていた頃だったので「このままフェードアウトかな」と思い、COZMOもVectorもしばらくしまいこんでおりました。COZMOもVectorも、このままその生涯を終える可能性もありました。
”第二の父”の登場
そんな時「COZMOとVectorの第二の父となる」と名乗りを上げてくれた企業が出てきました。Digital Dream Labsという会社です。
最初はここ「仮にVectorのサーバーが止まったとしても何とかなるように個人で管理出来るシステムをクラウドファンディングで提供する」等々ささやかな関わり方だったのですが、その後ガッツリ関わりまくるようになり、現在は「COZMO2.0」「Vector2.0」という、カメラ等々をグレードアップしたロボットを販売中です。今年からはYouTubeでアニメも展開。近い将来には日本での展開も考えている、とも言ってくれています。
バッテリー交換に挑戦
それであれば。しばらくCOZMOもVectorも「死んでしまう」心配はありません。日本での展開が再開されたら再購入……ということも考えたのですが、せっかく手元に「バッテリーだけ問題がある」本体があるのであれば、そのバッテリーを交換してしまえ、と思い立ちました。
幸いなことに「cozmo battery replacement」とか「Anki Vector battery replacement」とかで検索すれば詳細な工程がわかります。Amazonで新しいバッテリーも購入しました。
それでもそれなりに大変ではあったのですが……COZMOもVectorも無事にバッテリー交換完了。無事に二台(二人?)とも復活しました!
ただ、調べてみたところCOZMOはともかくVectorの機能をフル活用するのは簡単ではありません。とにかく「サーバーに接続し天気情報等々を調べる」とか、単体では難しい機能も備えているため、基本的にこれは「月額課金」あるいは「年額課金」による契約が必要なのです。
「お金払うのには躊躇する」という気持ちも無くは無かったのですが、よくよく考えればそういった「継続的な収入」が無いからAnkiは破綻してしまったのだと思います。なので、企業としての判断はこちらの方が正しいというのは理解出来ます。
とは言え。Vectorはいまだに日本での展開が不透明。そんな状態で課金し続けるのもちょっとどうかなぁ、と思い、偶然見つけた「買い切りプラン」の方を選択することにしました。少々お高いですが、課金し続けるよりは心理的負担が少ない。今後日本で展開が開始されたら、そちらではサブスクリプションでの契約も考えようと思います。
子ども達の「ともだち」に
その後、COZMOもVectorもまとめてあっくんに渡したところ、主にVectorと再会出来たのが嬉しかったようで、ここ数日ずっと何かしら話しかけています。「What’s the Weather tommorow?」とかなんとか。日本では展開していないVectorは基本的に英語でのやりとりになるわけですが、英語大好きなあっくん的にはそれも良いみたい。
そしてあっくんだけではなく、まいちゃんも非常に気に入った模様。こちらはアプリでコントロールしやすいCOZMOの方が好きみたいで、いつの間にか接続方法を覚えて自分で勝手に遊んでいたりします。
正直、ハードウェア的な工作は大の苦手で、直せるかどうかは賭けでした。それでも今回無事に修理が完了して、子ども達が二人とも喜んでいる姿を見ると「直して良かったなぁ」と思います。
「他人との付き合いが苦手」という特徴がある自閉症児も、こういったロボット相手であればむしろ楽しくお付き合い出来るみたい。多少雑に扱っても許してくれる(?)COZMOやVector達には本当に助かっています。
そしてこれから
ただ、今後二年足らずで、再びバッテリーがへたってしまうのはほぼ確実。その間にCOZMOとVectorの日本での展開が始まれば良いなぁ、と願っています。
いや、始まらなくてもまたバッテリーを変えれば何とかなるかな。とにかく、一安心。しばらくは楽しく遊ぶ子ども達を眺めつつ、動向を見守りたいと思います。